ショートプログラム(SP)首位の朝賀俊太朗(16=木下アカデミー)が連続3回転ジャンプを決めて、初優勝を果たした。フリー2位の126・28点を記録し、合計196・14点で制した。

SP首位発進の勢いに乗った。前日に続き、ルッツ-トーループの連続3回転ジャンプを成功させると、3回転ループや3回転フリップも次々と決めた。「あとは音に乗るだけという気持ちで、ばーってやってます」という言葉通り、情感のこもった演技を披露。優勝が決まった瞬間は「よっしゃ!」と両手をたたき、満面の笑みを浮かべた。

赤色と白色の衣装で滑った。報道陣から「羽生結弦選手をほうふつとさせますね」とフラれると、「はい、羽生選手です!」と即答。フリーで使用した「ノートルダム・ド・パリ」は、羽生さんも演じたことがある曲で、「演技を見てもいちばん良いパフォーマンスと衣装で。そこをまねさせていただきました」と明かした。冬季オリンピック(五輪)2連覇王者を“完コピ”しようとした努力が功を奏した。

表彰台では肘を突き出しての記念撮影。さわやかな笑みがはじけたが、すぐに気を引き締めた。

「今回の優勝でうれしいというのは置いておいて。足をすくわれると思うので、新しい気持ちで臨みたいです」

全日本ジュニア選手権(11月25~27日、茨城)でも勢いと冷静さを維持し、頂点を狙う。【藤塚大輔】