黒木夢(28=タマディック)が初優勝した。吉松琳果(24=光和)との、ともに初めてのファイナルで10-9。第3ピリオド(P)まで同点で1分間の延長戦に入り、どちらか先に得点した方が勝利となる「一本勝負」へ。その開始5秒、ポイントを奪って歓喜の雄たけびを上げた。

壇上で行われたインタビューでは涙をこらえ切れなかった。「ようやく勝てたなって思って…」と声を震わせ「シーソーゲームは楽しんでいただけたかなと思います。ただ、私が目指す完璧なフェンシングができたわけではないので、また見に来てくださればと思います。やっとここまで来られて感謝しかないですし、たくさんの応援が私をここに連れてきてくれました。こんな舞台で戦えることはないと思うので、みんなも目指してください」と呼びかけた。

この階級は、東京オリンピック(五輪)代表の佐藤希望(36=大垣共立銀行)が長く君臨してきたが、負傷を抱えていたこともあり今大会は3回戦で敗退。新女王が誰になるか注目されていた。【木下淳】