【トゥールーズ(フランス)=松本航】日本(世界ランク10位)がフランス(同2位)に敗れた。

過去1分け11敗、試合前時点でテストマッチ12連勝中の強豪に17-35。前半7分に相手WTBペノーに先制トライを許すと、超満員の敵地で主導権を握られた。13-52で敗れた12日のイングランド(同5位)戦と合わせて、22年最後の代表活動となる欧州遠征を2連敗で終えた。23年9月開幕のW杯フランス大会に向け、残された時間は少ない。

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超満員の観衆がフランス国歌を熱唱し、試合開始と同時に雨が降り出した。日本は敵陣深くに攻め込んだが、最初のスクラムで反則を与えた。フランカーのリーチは「びびらず、ミスしてもいい。それぐらいの勢いで攻撃する」と誓っていた。だが、ボールを渡すと青の集団にのみ込まれた。前半7分、インゴールに蹴り込まれたボールをFB山中が処理しきれず、先制トライを献上。さらに2PGで0-11と劣勢に陥った。

敵地で勝つ-。課せられた難題はW杯前年もクリアできなかった。過去最高8強入りした19年W杯以降、翌20年はコロナ禍で活動を休止。昨年から欧州でテストマッチ7戦に臨み、白星は格下ポルトガルのみにとどまった。SH斎藤はイングランド戦を振り返り「ほとんど全員、観客が敵。自分たちでエナジーを出すことが重要」と肌で感じた。

フランス戦はW杯本番で2試合を戦い、キャンプ地となるトゥールーズで行われた。後半2分にはCTB中野が抜け出し、SH斎藤と25歳コンビでトライ。18点を追う同23分には、用意したサインプレーでWTBフィフィタがトライした。コンバージョンも決まり17-28と追いすがったが、終盤にトライを奪われ、追い上げムードはしぼんだ。

地力の差と手応えをかみしめ、リーグワンでの活動を経て、来春に再集合する。