今年3月の世界選手権女王で2連覇を狙う坂本花織(22=シスメックス)が、ほぼミスのない演技を披露し、77・79点でトップに立った。今月上旬のグランプリ(GP)ファイナルは、まさかのフリー失速で5位。巻き返しを誓い、帰国後の1週間を過ごしてきた。非公認ながらSPの今季自己ベストを約2点上回る納得のパフォーマンス。2位三原に3・09点差と2連覇に前進した。

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2連覇を狙う坂本のスイッチが入った。総合5位で涙したグランプリ(GP)ファイナルから2週間。77・79点を記録し、国際スケート連盟(ISU)非公認ながら公認の今季SP世界最高(76・19点、ヘンドリックス)を上回った。首位発進で「何か吹っ切れた。人が変わるように新しい風が吹いた。それが来たから乗るしかない」と笑った。

地元の関西でよみがえった。得点源となる演技後半のフリップ-トーループの連続3回転を決めると、最後まで集中を続けた。3つのスピンとステップは最高のレベル4。10月に米歌手ジャネット・ジャクソン自身がSNSに投稿し「まさか本人に認識してもらえるとは思っていなかった」と驚いた演目を滑りきった。

昨季は北京五輪で銅メダル2個を獲得し、世界選手権で優勝。今大会前から「早く全日本(で演技)したい!」と待ちわび「今までの自分に戻れた」とニッコリ。確かな自信を中1日のフリーにつなげていく。