「全国1勝」を果たし、東北勢が快進撃する。全国高校バスケットボール選手権(ウインターカップ)が今日23日、東京体育館ほかで開幕する。女子の聖和学園(宮城)は1回戦で埼玉栄と対戦。U-17日本代表の上野心音(3年)がエースとしてチームをけん引。18年以来の初戦突破から目標のメインコート(4強入り)に突き進む。

    ◇    ◇    ◇

エースの責任が、体を突き動かす。上野は「エースとして得点を一番取らないといけない。数字に残らない部分でも貢献したい」と、自身最後の大会に気持ちを高めた。7月にハンガリーで開催されたU-17女子ワールドカップ(W杯)では、高さのある相手と対峙(たいじ)。今大会出場校にも留学生や自身の身長176センチを超える選手も多数おり、国際舞台の経験を生かしながら対応していく。

リベンジを果たし、つかんだ全国切符だ。県予選決勝は6月の県総体決勝で惜敗した仙台大明成と激突。13点を追う第3クオーター(Q)以降は各Qで相手を1桁点差に封じ、逆転勝利を収めた。「自分たちはディフェンスから流れを作ることを意識しているので、全員の意識が同じ方向に進んだ」と勝因を挙げたが、ほかにもある。「インターハイ予選で負けた分、ウインターカップにかける思いは明成より強かったと思う」。点差を縮めたい後半は小野裕監督(46)の「お前の時間だぞ」という激励に奮い立った。

初戦の埼玉栄には同W杯でチームメートの下田美希(2年)が在籍し「複雑な気持ちですけど、自分の1学年下なので負けられないし、負けたくない」と勝利を譲る気はない。勝ち上がれば、今夏の全国高校総体4強で留学生が在籍する東海大福岡との2回戦。小野監督は「良くも悪くも彼女次第。彼女の好不調や気持ちの浮き沈みで勝敗が決まってしまうので、それが良い方向に進めば」と期待を寄せた。目標に近づくため、プレーでチームメートを引っ張る。【相沢孔志】

◆聖和学園・民谷佳帆主将(3年=3年連続出場で自身初の初戦突破に向け)「チームの目標はメインコートに立つことですけど、ここ2年、勝てていないのでどうしても1勝したい。ディフェンスやルーズボールで人一倍頑張る姿をみんなに見せたい」