21年東京オリンピック(五輪)団体銀メダリストで、全日本で現役最多5度の優勝を誇る石川佳純(29=全農)が、逆転勝ちで準々決勝進出を決めた。勝利した瞬間は両手を突き上げてガッツポーズ。「自分は5回チャンピオンになっている」と奮い立たせ、劣勢を跳ね返した。

1-1で迎えた第3ゲーム(G)から2連続で落とし、1-3と崖っぷちに立たされたが諦めない。第5Gから2ゲーム続けてジュースに持ち込み、ともに奪取した。最終Gでも相手のフォア側へ攻め続け、フルゲームの激闘をものにした。

「今日は自分を褒めていいんじゃないかと思う」

柔らかな表情でかみしめた。

対戦した加藤美優(23=吉祥寺卓球倶楽部)は前回大会で敗れていたが、2年越しのリベンジも果たした。「苦しい試合を乗り越えられて、勢いに乗れる」と声を弾ませた。

12年のロンドンオリンピック(五輪)以降、五輪では3大会連続でメダルを獲得している。しかし、女子シングルスにおけるパリ五輪選考レースでは、大会前の時点で7位。昨年11月の第3回選考会では2回戦で敗退し、試合直後には頭を抱えた。

今大会も選考を兼ねているが「それは考えていない」と言い切った。あくまで目の前の試合に力を注ぐと決めている。

28日の準々決勝の相手は昨年の世界選手権女子団体代表の佐藤瞳(25=ミキハウス)。「年齢に関係なくぶつかっていきたい」と引き締めた。

2月で30歳になる石川には、卓球界をけん引してきた意地がある。【藤塚大輔】

◆今大会で加算されるポイント数

1位=60点、2位=50点、3、4位=40点、5~8位=25点、16強=10点、32強=5点

◆大会前の選考ポイント上位8人

〈1位〉早田ひな(164点)

〈2位〉伊藤美誠(117・5点)

〈3位〉平野美宇(109点)

〈4位〉木原美悠(106点)

〈5位〉芝田沙季(102点)

〈6位〉長崎美柚(97点)

〈7位〉石川佳純(87点)

〈8位〉佐藤瞳(69点)