ショートプログラム(SP)首位の坂本花織(22=シスメックス)が、全種目を通じて日本初の2連覇を達成した。フリー145・37点、合計224・61点とした。

演技を終えた坂本は悔しさでいっぱい。4年前、同じ舞台での世界選手権でSP2位から5位に終わった悔しさを晴らしたい。その一心だったが、同じ後半の3回転フリップでミスが出ていた。

中野園子コーチが、悔いが2連覇のうれしさに勝る教え子について、演技後に取材に応じた。

-おめでとうございます

中野コーチ ありがとうございます、と一応言わないといけないですから(笑い)

-坂本選手の演技を振り返ってどうでしたか。

中野コーチ どうしましょう(笑い)。来年はきっちりやるように課題が残ったので、そのためにはよかったかなと思います。

-坂本選手は悔しさが残るフリーでしたが、日本初の2連覇です。

中野コーチ 運が良かったんだと思います。もっとみんながパシっとやっていたら、(優勝)できていないと思いますし。ショートを頑張りましたので。ちゃんとフリーができれば、きっと気持ちよく終われたんですけど、今日は緊張して。それと朝から、交通がとても混むので、だいぶ早く来て、混まないうちに来て練習をやってきたんですけど、もう1つあわせ方がうまくいかなかった感じでした。

-演技前や演技後はどういうお話をされたか。

中野コーチ だからスピンをもうちょっと練習してくれと言いました。最後のスピンはやっぱり、ダメですね。恥ずかしい出来だったと思います。

-今シーズン全体はどうでしたか。

中野コーチ 今シーズンはわりと良い感じで来ていて、2連覇すると頑張ってきていて。ショートは最高の良い演技をしていたので良いかなと思ったんですけど、今日はどうしたんでしょうかっていう感じでした。

-坂本選手のミスについては、演技前から予兆は感じていたか。

中野コーチ びっくりです。もう少しはやると思ったので。まずはスピードをもうちょっと出してほしかったです。

-練習ではしっかり仕上げられていました

中野コーチ この間の練習ではとてもいい出来だったので。うん、こんなのはあまり見たことがないです。

-連覇のプレッシャーを乗り越えて達成された。成長は感じられましたか。

中野コーチ うん、その思いに至るまでに2、3日かかると思います。私も花織も。

-坂本選手は3連覇も見えてくる。その話はすでにしていますか。

中野コーチ はい。他の人たちはともかく、私たちではそれをやって、気持ちよく来年は終わりたいと願っています。

-フリップにトーループをつけたことはどう捉えていますか。

中野コーチ そうですね。あれをやっていないと、練習では曲が止まるので、フリーはツーミス(2回のミス)止めなので。2つ失敗しちゃうと、曲が止まるので、(本番でも)跳べると思います。

-失敗もあった中でも褒めたいところはどの点ですか。

中野コーチ トーループをつけたことですね。あのトーループをやっていなかったら、フリーでは点数が足らなくて2番になっているので、あれをとっさに締めたのは偉かったと思います。