プロフィギュアスケーター浅田真央さん(32)がパートナーへの感謝の涙を拭った。

座長を務めるアイスショー「BEYOND The Finalエアウィーヴ特別公演」(アリーナ立川立飛)が16日に行われ、世界的バイオリニストの三浦文彰さん、ピアニストの三浦舞夏さんと共演。出演スケーターとの一公演限りのステージが披露された後、17日が大千秋楽となるフィナーレへのカウントダウンとして、出演するスケーターの1人、演目で浅田さんとペアを組む柴田嶺さんがマイクを握り、思いを伝えた。

「スタートした時、真央ちゃんとペアを組むということで、僕の中ではとても不安がありました。真央ちゃんをリフト(持ち上げる)しなきゃいけないということは、国の宝を持ち上げるということで。プレッシャーがすごくて、真央ちゃんにその不安を打ち明けたことがあるんですけれども、その時に真央ちゃんからこんな言葉をいただきました。『ペアの技が危険なことはもちろん理解しているし、でも、嶺君とだったら絶対にできると思う。私も覚悟を持ってこのペアを成功させたいと思っている』。その言葉をいただいた時に、僕の中で覚悟が決まりました」。

現役時代はシングル選手だった浅田さんは、ショーの名前に込めた「BEYOND=乗り越える」という意味で、新たにペア種目に挑む事を決めていた。出演者を募る中で、いの一番に声かけしたのが柴田さんだった。

言葉に詰まりながら振り返る柴田さんの言葉に、浅田さんの目にも涙が浮かんだ。ここまで101公演、ケガなく2人で信頼を築き、演技を磨き上げてきた。

17日の2公演で、昨年9月に始まったショーは終幕を迎える。「この10人のメンバーが集まって、準備期間中から公演までたくさんのことがあったんですが、みんなで力を合わせて乗り越えてここまで来ることができました」と浅田さん。最後まで、覚悟の滑りを届ける。