世界ランキング8位の日本が6大会連続オリンピック(五輪)出場へ好発進した。来夏のパリ五輪予選を兼ねるW杯初戦で、同29位のペルーに3-0で勝利を収め、1992年バルセロナ五輪以来となる開幕1年前での出場権獲得へ勢いをつけた。

第1セットから日本がペースをつかんだ。攻撃陣を勢いづけたのが173センチのアウトサイドヒッター、林琴奈(23)。2-2からプッシュで押し込む、その後もブロックポイント、スパイクと的確に得点を決めてセット最多の9得点。さらに日本はセッターの関菜々巳(24)が起点となって、14-8から9連続得点とペルーに反撃の機会を与えなかった。最後は主将の古賀紗理那(27)のスパイクで、このセットを25-9で先取した。

第2セットも林のスパイクで先制すると、山田二千華(23)のブロック、古賀のスパイクと勢いは止まらなかった。ペルーも粘りを見せて食い下がったが、途中出場の和田由紀子(21)が、強烈なサービスエースを決めると、石川真佑(23)も矢のようなスパイクをたたき込み、このセットも25-19と力でねじ伏せた。第3セットも危なげなく25―15で奪い、一気に勝利を決めた。

主将の古賀がチームトップの14得点、23歳林が12得点で続き、途中出場のチーム最年少の和田も11得点をマーク。登録メンバー全14選手が出場する〝出し惜しみなし〟で、好スタートを決めた。古賀は「緊張したが3―0で勝つことができてよかった」と振り返った。

真鍋監督は「今日は特にサーブかよかったですね」と評価。21年東京五輪は1次リーグ敗退。今年7月のネーションズリーグも準々決勝で米国に敗れての7位で目標のベスト4は逃したが、指揮官は「サーブに対しての意識が去年と変わってきた。本当に選手たちが集中して緊張感を持って打てています」とチームの成長を感じていた。この日はサービスポイントこそ3本だったが、サーブで相手を崩してからポイントを重ね、白星につなげた。

今大会は3つのプールで各8チームが総当たりで対戦し、上位2チームが五輪切符を手にする。9日間で7戦の短期決戦。日本は大会の後半に世界ランキング1位のトルコ(23日)、同4位のブラジル(24日)との対戦が控える。

ペルー戦の前日に主将の古賀は「後半に強豪国と当たるが、初戦がすごく大切。しっかり声を出して、足を動かして、会場の雰囲気に慣れたい」と話していた。その大切な第一関門を突破した勢いを、勝負どころの後半につなげたい。