【重慶(中国)9日=松本航】フィギュアスケート男子で3月の世界選手権代表の山本草太(23=中京大)が「波」に乗る。

10日にショートプログラム(SP)が行われるグランプリ(GP)シリーズ第4戦中国杯に向け、本番会場で公式練習に参加。第2戦のスケートカナダでGP初優勝を果たし、シリーズの上位6選手による12月のファイナル(北京)進出もかかるが一戦。「僕もそういった波に乗っていけるように」と言及したのは、第3戦フランス杯を制したアダム・シャオイムファ(フランス)だった。

母国開催のGPで合計300点超えで優勝を果たしたフランスの雄は、連戦で中国杯を迎える。「アダム君も去年から僕も試合同じになったり、レベルの高い選手っていうものはすごく認知はしていたんですけど、さらに今シーズン波に乗って勢いに乗ってる印象がある」。一気に男子界での存在感も増すライバルに「同じように自分自身も、波を作りながら、しっかり乗っていけたらな」と見据えた。

スケートカナダでは喜びと同時に、悔しさも残した。フリーが満足の出来とならず、「フリーで失敗したアクセルっていうものはすごく重点的に取り組んできた」と帰国後の1週間で滑り込んできた。「本当に自分の力を出し切れば、しっかりと表彰台というものはついてくる」と雪辱の先に、ファイナルも見える。

日本からは普段の練習で同じになることもある世界王者の宇野昌磨も出場する。「世界チャンピオンの背中を常に追いながら練習に励むことができるので、僕が勝手に刺激をもらって頑張れています」と試合で競い合えるモチベーションにもつながる。

重慶は辛い料理で有名。「辛いのはもともと苦手」に加え、口内炎ができており、「ちょっと今食べたら大変なことになっちゃうんですけど」と笑う。試合後に「ご褒美」としてタピオカミルクティーに狙いを定めているそうで、「終わったらご褒美として、おなか壊さない程度に食べたい」。勢いのまま良い波に乗って、良い味も満喫したい。