【重慶(中国)9日=松本航】フィギュアスケート男子で世界選手権2連覇中の宇野昌磨(25=トヨタ自動車)が“自己最遅”のシーズン初戦に臨む。

グランプリ(GP)シリーズ第4戦中国杯に向け、本番会場で前日調整。10日のショートプログラム(SP)へ「自分がどんな心境になるのか楽しみ」とほほえんだ。

3月の世界選手権後は「自分が満足できる表現者になりたい」と目標設定。9月まで従来の新シーズンを見据えたアイスショーの演技ではなく、ワンピース・オン・アイスで主人公ルフィを熱演した。

重きを置いたは新たな挑戦。11月の初戦はコロナ禍で変則だった20年を除き、ジュニアの下の世代となるノービス転向(06年)以降で最も遅い。

前週に世界6人目の300点超えを達成したアダム・シャオイムファ(フランス)らと競う今大会。世界王者は「結果の良さで楽しみを見いだせるかというと、考えにくい。何か『楽しいな』と思う瞬間があればいい」と唯一無二の表現者を志す。