【重慶(中国)=松本航】ショートプログラム(SP)6位の友野一希(25=上野芝スケートクラブ)がフリー171・45点をマークし、合計251・95点となった。

フィニッシュすると、しばらく天井を見つめ、視線をリンクへ移して小さくうなずいた。「決めれるところはしっかり決めたかったなっていう演技でした」と振り返った。

冒頭の4回転-2回転の連続トーループを降りると、4回転トーループは出来栄え点(GOE)で2・71点の加点を得た。3本目のサルコーが2回転となり「ちょっと悔しい」と感じたが、続く3回転ループも成功させた。

5本目からのトリプルアクセル(3回転半)-3回転サルコーは着氷が乱れたが、6本目の3回転フリップ-2回転半の連続ジャンプは成功。最後の3回転半も危なげなく決め、1・71点の加点を導いた。大崩れはしない演技に「落ち着いて、しっかり思い切って滑れたかな」と一定の手応えを口にした。

今季はフリーで平穏な音色が特徴的な「ホルストン」に挑戦。コーチも務めるミーシャ・ジー氏による振付で、変化の少ない落ち着いた曲を「自分がしたかった表現なので、やりたかった表現ができて、今はすごくうれしい気持ち。ポジティブな印象」と精力的につくりあげてきた。表現の幅を広げながら、シーズン後半を見据えて、さらに作品の完成度を高めていく。