国体に続く高校2冠を目指した高川学園(山口)が3回戦で姿を消した。

優勝候補対決となった屈指の好カードで、高校総体(インターハイ)王者の駿台学園(東京)に逆転負けを喫した。

敗れた瞬間、高川学園の選手たちが次々とコートに倒れ込んだ。それでもエース門田凌也(3年)だけは気丈に立ち続けた。「主将としてチームにずっと(何かを)与えることができなかった。最後ぐらいは主将として、2年生に来年への思いを託そうと思った」。悔し涙を流す仲間たちに手を差し伸べた。

前年覇者で高校総体との2冠が懸かる強敵から、第1セット(S)を25-21で先取した。しかし堅守を誇る相手にすかさず対応された。第2Sを19-25と落とすと、第3Sは17-25と力尽きた。自身のアタックも何度も拾われ、「最後は自分たちがムキになってしまった。駿台はレシーブに加えてブロックの堅さもある。崩すのは容易でなかった」。それでもエースとして、最後まで打ち続けた。

駿台学園の主将、亀岡聖成(せな)とは試合後にハグを交わして健闘をたたえ合った。「お手本にしていたチーム。練習中でも駿台の名前は出る。追いかけていたその背中を国体で追い越したけれど、気持ちとしては格上と思ってやってきた。ずっといい相手として戦ってこられたかな」

3年間を通じて心身ともに成長してきた。そんなエースに対して有吉健二監督は「この試合でも意地の一本を見せてくれた。さらなる上のカテゴリーで力を発揮して欲しい」とエールを送った。

身長187センチ、最高到達点は335センチに及ぶアウトサイドヒッターは、春から大学に進学予定。「体力や技術面をもっと磨いていければ、ラスト1点を決めれるようなエースになれると思う」。次のステージで、さらに大きく成長する。【奥岡幹浩】

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