【上海(中国)=竹本穂乃加】鍵山優真(20=オリエンタルバイオ/中京大)が初優勝を飾った。

1日のショートプログラム(SP)で今季世界2位となる106・82点を記録した勢いに乗り、フリーでも200・76点の好演を披露。今季世界2位となる合計307・58点をマークした。五輪、世界選手権、グランプリ(GP)ファイナルを含めたシニアの主要国際大会では、初の金メダルを獲得した。

場内インタビューでは「まずはSP、フリーを見ていただいて、ありがとうございました。今日のフリーは4回転フリップにチャレンジしてステップアウトになったが、しっかりと締めきることができた。諦めずに全ジャンプを降りることができたのでホッとしています」とうなずいた。

冒頭の4回転サルコーを出来栄え点(GOE)で4・43点の高い加点を導いた。続く4回転フリップは着氷が乱れたが、3本目の4回転トーループ-オイラー-3回転サルコーの連続ジャンプは成功。後半でもキレのある動きを見せ、2位の佐藤駿(19=エームサービス/明治大)に32・99点差と圧倒した。

22年北京五輪で日本フィギュア界で史上最年少メダリストとなる銀メダルを獲得も、同7月に左足首を負傷。疲労骨折寸前まで悪化し、昨季は全日本選手権以外の試合を全休した。国際大会への出場も取りやめた。

復帰シーズンとなった今季は、昨年8月に競技会に復帰。GPシリーズ第6戦NHK杯で優勝すると、同ファイナルでは3位に入った。昨年末の全日本で2位となり、4大陸選手権と世界選手権(3月18~24日、カナダ・モントリオール)代表に選出された。

順調に復活を遂げる中、指導陣には変化もあった。これまでは五輪代表経験もある元フィギュアスケート選手の父正和コーチ(52)と二人三脚で歩んできたが、新たにカロリーナ・コストナー(36)をコーチに招請。14年ソチ五輪銅メダリストのもと、振り付けやスケーティング技術の指導を受け、表現力の向上にも力を入れてきた。

その努力は数字にも表れている。表現面などを示す演技構成点(PCS)は、昨年11月のGPシリーズフランス杯のフリーが88・85点だったが、同下旬のNHK杯で90・61点、同12月上旬のGPファイナルで91・81点、同下旬の全日本で92・65点を記録。試合を重ねるごとに成長を示してきた。

今季は3月に世界選手権を控える。

「世界選手権へ向けて何ができるか、上を目指すために何が必要かを考えて、もっと良い演技ができるようにしたいです」

初優勝を懸け、2連覇中の宇野昌磨(26=トヨタ自動車)や今季のGPファイナル覇者のイリア・マリニン(19=米国)らとの激しい争いに挑んでいく。

【フィギュア】鍵山優真、佐藤駿、山本草太が登場 4大陸選手権男子フリー/速報