プロアイススケーター羽生結弦さん(29)の故郷・宮城の利府町にあるセキスイハイムスーパーアリーナで「羽生結弦 notte stellata(ノッテステラータ)2024」が開幕。昨年3月に続き、今回で2回目となる宮城県でのショーでは羽生を含めた国内外10人のスケーターと女優大地真央(68)が出演。新演目の『Danny Boy』など計22曲のパフォーマンスで復興を願った。

ショーのタイトルの「notte stellata」と、イタリア語で“満天の星”の意味。2011年3月11日の東日本大震災で、当時16歳の羽生さんは地元の宮城・仙台で家族とともに被災。かわり果てたふるさとの停電で広がる暗闇の中、恐怖と絶望感を抱えて見上げた夜空に、notte stellata=満天の星が輝いていた。その光景に希望の光を見いだした羽生さんが、ふるさとの宮城から被災地復興への祈りをささげ、満天の星のような希望を届けるために作ったショーが「羽生結弦 notte stellata」だ。

開演前、スクリーンに流れた羽生さんが空に手を挙げる動作に合わせて、6100人の観客が持つライトが一斉に点灯。暗闇のセキスイハイムスーパーアリーナに満天の星が輝いた。羽生さんのゆったりとした舞から始まった第一部では、それぞれのスケーターたちが、「祈りと、応援と、希望と、困難に立ち向かう勇気」を表現した。

第一部の最後では大地と『Carmina Burana』でコラボ。小鳥のさえずりから始まり、スクリーンには花々の映像が流れた。羽生さんは花畑を歩くかのように軽やかなステップを踏んだ。花が開くような華麗なジャンプも披露。しかし大地の登場とともに曲調が一転。大地の糸を引くような動作に引かれる羽生さん。抗おうと前に進むが、引かれるばかりで、ついには壁に囲まれ閉じ込められた動きで、絶望を感じさせた。しかし再度転調。純白のドレスに着替えた大地を迎えに行く羽生さん。絶望から立ち上がり、希望をつかみ取った姿に、観客からは拍手が降り注いだ。