フィギュアスケート女子で19年全日本選手権銅メダルの川畑和愛(22)が競技生活からの引退を発表した。

9日に東京・東伏見ダイドードリンコアイスアリーナで行われた「WASEDA ON ICE 2024」のフィナーレで早稲田大スケート部員としてあいさつし、「15年続けた競技の引退について話させて頂こうと思います」と経緯を述べた。

ダイナミックなジャンプを持ち味に、高校3年生だった19年末の全日本選手権の表彰台に上がった。だが、翌年の早稲田大学と同時にコロナ禍となり、練習制限を余儀なくされるなど送った。さらに21年の全日本選手権前には交通事故にあい、以降は復帰後もジャンプの感覚が戻らなかったという。

「大学1年生では競技で調子が出始めた直後にコロナ禍の感染拡大が訪れ、さらにコロナによる練習制限の困難を乗り越え、休学してスケートに専念した翌年のシーズンには、全日本直前に交通事故にあうアクシデントが待ち構えていました。度重なる苦境に心が折れかけたものの、中途半端にことを終えてはいけないとの思いで、昨年春まで1年間競技を続けていましたが、事故の後遺症の後、体が高いレベルで競技をするには体が万全な状態に戻らないこと、昨年のシーズン最後のインカレでは、けが明けから再びトリプルジャンプを試合で成功させ、交通事故で出れなくなってしまった全日本のやるせない気持ちに整理をつけられたことで、競技を離れる判断をしました。そして現在、1年の環境変化を経て、スケート競技から離れることに悔いはないことを確認し、このまま引退することを決意しました」。

1つ1つ、丁寧に説明していった。続けて家族、コーチ、ファンへの感謝を言葉にすると、気持ちが込み上げ、目には涙が浮かんだ。

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