フィギュアスケート女子でミラノ・コルティナオリンピック(五輪)4位入賞の千葉百音(もね、20=木下グループ)が11日、ちょうど15年前の2011年に発生した東日本大震災への思いを語った。
生まれ育ったのは宮城県仙台市。震災が起きたのは5歳の頃だった。金曜の昼下がりの午後2時46分。アイスリンク仙台へ向かう車内で大きな揺れを感じた。
「今まで経験したことがない揺れの強さだったので、すごく怖かったなと思います」
最大震度7。日本の観測史上では最大となるマグニチュード9・0の大地震だった。「電気や水道の止まった生活は不便が生じるところもあった」と振り返る。約4カ月はリンクも閉鎖した。
久々に滑った時は「滑れてうれしい」という純粋な思いが心からあふれた。同時に「被災した状況を見て本当に大変だったと痛感した」と、幼いながらに事の重大さも思い知った。
あの日から15年。地震による死者は1万5901人にのぼり、今も2519人が行方不明となっている。千葉は高校3年生の春に練習拠点を京都に移したが、今も震災を忘れることはない。
「毎年この時期になると地震のことを思い出すんですけど。あれから15年も経ったと思うと、いろいろと環境も変わって、自分自身も精神的にも体的にも成長をして、でも小さい頃からずっと残っている記憶、経験でもあって。忘れてはならないと思います。今、しっかり練習ができている環境が整っていることも当たり前じゃないと思って、しっかり感謝して練習をしないといけないなとつくづく思います。東日本大震災だけでなく、いろいろな自然災害が起きて、元のような生活に戻ることができていない方々もたくさんいらっしゃるので、1日でも早く元のような生活に戻れることを祈っています」
この日の氷上練習中。リンク内の時計の針が震災発生時刻の2時46分を指すと、1人でリンクサイドへ向かった。静かに黒色の手袋を外す。目を閉じ、約1分黙とうをささげた。毎年欠かすことはないという。
仙台は今もかけがえのない場所だ。
「自分の生まれ育った土地であり、いつも帰った時に心が落ち着く場所。いつまでもこのままであってほしいなと思います」
故郷を思う心は、いつだって変わらない。【藤塚大輔】


