フィギュアスケートの世界一ペア「りくりゅう」こと三浦璃来(24)、木原龍一(33)組(木下グループ)が28日、都内のホテルで現役引退会見を行い、引退を決断した時期や、その過程での思いを明かした。
引退を意識し始めたのは、昨年の世界選手権で2度目の優勝を果たした頃だった。三浦は「優勝した時に、これが最後の世界選手権になるかもしれないという思いが2人の中で出てきた」と振り返った。その後のプログラム制作でも、特別な決断があった。もともとは別の曲で振り付けが進んでいたが、「最後になるなら、どうしても滑りたい」と、フリーを映画「グラディエーター」に変更。振付師にも「最後のシーズンになるかもしれない」という思いを伝えた上で臨んだ。
今季はすべてを五輪に懸けた1年だったという。「体づくりも含めて徹底してやってきた」と木原。その分、2月のミラノ・コルティナ五輪でのショートプログラムのミスは大きな衝撃だった。「あれだけやってきたのに、何だったんだろうという思いで涙が止まらなかった」。それでもフリーでは切り替え、積み重ねてきた力を出し切った。「今は、その積み重ねの大切さを改めて感じている」と語った。
シーズンを通して「今季が最後になるかもしれない」という思いは常に2人の中にあった。迎えた大舞台。五輪で優勝を決めた直後には「これで引退だね」と自然に気持ちが固まったという。
木原は五輪期間中を振り返り、「最後だと分かっていたからこそ、涙が止まらなかった」と明かした。試合前にトレーナーに教わった方法で三浦の体をほぐしながら「これが最後なんだな」と実感し、込み上げる思いを抑えきれなかったという。
2人はミラノ五輪で、ショートプログラム(SP)5位からフリーで6・90点差を逆転し、日本ペア初の金メダルを獲得。女子で06年トリノ五輪を制した荒川静香、男子で14年ソチ、18年平昌と連覇した羽生結弦に続く快挙を成し遂げた。
25日には東京・日本橋で行われた冬季五輪・パラリンピック日本選手団の「応援感謝パレード」に参加し、今後はプロスケーターとして活動する意向を表明。2019年の結成以降、カナダ・オークビルを拠点にしてきた木原は「現役中は日本で演技する機会が限られていた。プロとして活動し、ペアをより身近に感じてもらいたい」と説明し、「来週にはもう少し詳しい話ができると思う」と見通しを示していた。


