ロシア出身の2力士から大麻の陽性反応が出た問題で、警視庁は2日深夜から3日未明にかけ、大麻取締法違反の疑いで、2人が所属する大嶽部屋(東京都江東区)と北の湖部屋(同)にある2人の個室など3カ所を家宅捜索した。大麻や吸飲器具などは押収されなかった。

 陽性反応が出たのは、西前頭3枚目露鵬(28=本名ボラーゾフ・ソスラン・フェーリクソビッチ)と、弟の東十両6枚目白露山(26=本名ボラーゾフ・バトラズ・フェーリクソビッチ)の両力士。

 警視庁組織犯罪対策5課は白露山のマンションも捜索したが、押収物はなかった。関係者から事情を聴くなど任意で捜査を継続する方針。

 相撲界ではロシア出身の元幕内若ノ鵬が8月に大麻取締法違反容疑で逮捕されており、薬物疑惑が拡大した。白露山の師匠でもある相撲協会の北の湖理事長の進退問題に発展する可能性も高まった。

 大麻取締法は使用について罰則を設けていないが、警視庁は大麻を所持していた疑いがあるとして家宅捜索に踏み切った。組対5課は2日夜、参考人として2人から任意の事情聴取を行ったが、2人とも大麻使用を否定したという。

 2人は、相撲協会の事情聴取にも大麻使用を否定して潔白を訴え、精密検査を要望した。尿サンプルは、ドーピング検査機関に送られ、3日から48時間以内に正式な判定が下る見通し。警視庁は2人の尿検査はしておらず、相撲協会による正式な鑑定を待つ。

 相撲協会が実施した抜き打ちの尿検査は、元幕内若ノ鵬が逮捕、解雇されたのを受けての措置で、大麻と2種類の覚せい剤に対するテストだった。十両以上の関取69人に対して行われた。