日本相撲協会は11日に開いた理事会で、将来のドーピング検査導入を目指してドーピング防止委員会を設置することを決めた。外部有識者の委員を1月中に、親方出身の委員は役員改選後の2月に選任して活動を開始する。

 相撲協会にはアンチ・ドーピング委員会があったが、中心的役割を担っていた大西祥平・慶大大学院教授が一昨年3月に死去して以降は休止状態だった。これを解消して防止委を組織する。

 理事会では専門家から委員会の概略案について説明があった。出席者によると、罰則規定の制定、実際に検査を実施する部署や裁定を審議する小委員会の立ち上げなどが提案された。

 昨年11月に、隆の山(鳴戸)が体重増加の目的で世界反ドーピング機関が禁止薬物にしているインスリンを注射していたことが発覚。相撲協会は文部科学省から早急に防止対策に着手するよう指導を受けていた。