高校相撲の名門校・埼玉栄高の山田道紀監督(45)が20日、不祥事を起こした力士に再生のチャンスを与えるべきとの意見を示した。八百長問題の発端となった携帯メールで、同校OBの十両清瀬海(26)と幕下山本山(26)に疑惑が浮上。2人とも否定しているが、清瀬海は特別調査委員会から、関与を認定された。山田監督は関与について「知らない」とし、仮に関わっていたとしても、解雇や除名には反対という。

 山田監督

 あくまで個人的な意見だけど、丸刈りにして、番付を降格させて(新入門者と同じく)前相撲から取らせてやったらどうか。関取に戻るまで何年もかかるし、「八百長野郎」ってやじも飛ぶでしょう。そこで耐えながら相撲を取れば、周囲の見方も変わってくる。すでに、社会的制裁は受けたし、家族も泣いている。教育的配慮をいただけないか。

 清瀬海は昨年、野球賭博に関与し、謹慎した。その後、相撲部には米300キロを送り、謝罪に来た。今回、名前が挙がった携帯メールは、当時押収された力士のもの。出直しを誓った後の問題かどうかは、分からない事情もある。幕内豊真将、豪栄道、十両明瀬山らも育てた山田監督は「相撲取りから、相撲を取り上げないでほしい」と訴えた。

 元横綱朝青龍、関脇琴奨菊、小結栃煌山らを輩出した明徳義塾高前監督の浜村敏之氏(55)は「問題を起こした人間だけを切っても、まだ問題が起きる。協会として、力士教育をしてほしい」と、相撲協会に期待した。