阪神は負けていれば首位から転落していた。阪神5人、DeNA8人で計13人の投手起用。結果は4時間13分を戦った末のドローだった。

梨田 阪神は9回から4イニング続けてサヨナラのピンチに見舞われたが、それを耐え忍んだ。勝つに越したことはないけど、ゲームを落とさないのが大事で、負けなくて良かったという一戦だったね。リリーフ4人が踏ん張ったが、ポイントは村上に「8回」を任せたことだった。

先発村上の球数は、7回2死満塁を無失点で抑えた時点で99球だった。

梨田 わたしは7回で交代するだろうと思ってみていた。しかし、続く8回も投げさせたことが、最終回までの継投がしやすくなったといえるだろう。村上は2回2死三塁、山本に2-2から右前適時打で先取点を許した。あそこのベストはフォークだったが、アウトローのストレートの選択も間違いではない。ただ高く浮いたところを痛打されたのは悔いが残った。

村上の後は、ゲラ、桐敷、島本、岩崎がサヨナラのピンチをかわした。

梨田 昨シーズンは1イニングにリリーフを右、左を使い分けながら乗り切ったケースもあった。この一戦が示したように、それぞれにイニングを完了させているところに、岡田監督がリリーフを信頼していることが伝わってきた。

先週の中日3連戦は計25得点で打ち勝った。昨シーズンの横浜スタジアムでのDeNA戦は5勝7敗と負け越している。

梨田 よく“打線は水もの”というようにアテにはならない。その攻撃の作戦が昨シーズンのようにスッとはまるのもこれからかもしれないね。どこも抜け出すようなチームは見当たらない。だからこそ負けなくてよかったんだ。

【取材・構成=寺尾博和】