東邦(愛知)は「4番・右翼」で出場のエース藤嶋健人(3年)が“サイクル超え”の本塁打、三塁打、二塁打2本の大当たりで圧勝した。

 東邦のエースで主砲の藤嶋が「サイクル超え」で初戦を快勝突破した。この日はエースとしての仕事は休み「4番右翼」で先発。3回の第2打席に右中間への三塁打を放つとバットに火が付いた。本塁打、二塁打とマークし、あとは単打でサイクル安打。達成すれば史上6人目の大記録に、6回の5打席目は森田泰弘監督(57)やナインから「セーフティー(バント)でもいいからシングルを打ってこい」と送り出された。

 ところが打球の当たりが良すぎて、中堅の左を破る長打コースに。藤嶋は「個人的なことよりチームのこと。一塁で止まるより、二塁に行った方が1ヒットでホームにかえれる」と、一塁を蹴った足を止めずに二塁へ向かった。「あと(単打)1本が出ないということはまだまだ実力が足りないということですね」と笑った。チームを優先し大記録をも超えた主将が、24安打19得点の圧勝を呼んだ。

 ◆両軍39安打 東邦24安打、北陸15安打。両軍39安打以上は04年決勝の39本(駒大苫小牧20、済美19)以来。大会記録の41本(85年2回戦のPL学園32、東海大山形9)に迫った。

 ◆毎回安打 東邦が記録。昨年の大阪偕星学園(九州国際大付戦)以来。

 ◆1イニング全員得点 東邦が4回に記録。昨年の鹿児島実が北海戦の5回に記録して以来8度目。

 ◆チーム1イニング最多二塁打4 東邦が4回に記録。昨年の仙台育英が明豊戦の1回にマークして以来で11度目。