ポイントは高橋交代のタイミングだった。6回1失点。最後まで任せるという考え方もあるだろうが、7回に代打を送って仕掛けたのは悪くない。誤算があるとすれば、7回無死一塁、小幡がバントを決められなかったこと。走者を進めてダメ押しにつなげられなかったことだ。長いシーズンを見据えても交代のタイミングは間違ってはいない。

降雨や開始時間の遅れで、試合の入り方は難しかったはずだ。しかも初回に1点を失った。4月5日広島戦以来33イニングぶりの失点。点を取られていなかった投手が先に取られるのは嫌なものだが、すぐにペースを取り戻した。これこそ高橋の技量だ。伏見とのバッテリーはテンポがいい。コントロールに間違いがない。抜ける球もない。だから、自分のペースに持ち込むことができている。

打者というのは対戦を重ねると、投手のイメージができるようになる。打者目線で見れば、高橋の場合は低めに集まる配球。逆に絞りやすいとも言える。今後を考えれば、余裕がある時に、あえて高めの速球を見せ球で使うのもいい。幅だけではなく、高低もフル活用すればさらに幅が広がる。もっとも、今の真っすぐ、変化球のキレがあれば、絞られても打たれない。それぐらいキレている。

リリーフ陣には不安を残した。先発が好投した後に登板するのは非常に難しい。この試合ではほころびが出た。ただ、シーズンは長い。ここまでは役割を固定せず、ベンチワークでしのいできている。高い勝率も残している。これから勝ちパターンを作り上げていくことが必要になるだろう。

(日刊スポーツ評論家)

ヤクルト対阪神 7回表阪神無死一塁、小幡竜平(左)がバントできず厳しい表情の藤川球児監督(撮影・宮地輝)
ヤクルト対阪神 7回表阪神無死一塁、小幡竜平(左)がバントできず厳しい表情の藤川球児監督(撮影・宮地輝)
ヤクルト対阪神 8回裏の登板を終え勝ち越しを許したモレッタ(99)と桐敷拓馬(47)を出迎える阪神高橋遥人(中央)(撮影・垰建太)
ヤクルト対阪神 8回裏の登板を終え勝ち越しを許したモレッタ(99)と桐敷拓馬(47)を出迎える阪神高橋遥人(中央)(撮影・垰建太)
ヤクルト対阪神 9回表阪神2死一、二塁、森下翔太が捕邪飛に倒れぼうぜんとする高橋遥人(中央)ら(撮影・垰建太)
ヤクルト対阪神 9回表阪神2死一、二塁、森下翔太が捕邪飛に倒れぼうぜんとする高橋遥人(中央)ら(撮影・垰建太)