阪神ドラフト3位江越大賀外野手(22=駒大)が卒業式には行かず、プロの道を突き進む。開幕2日前の今日25日、東京都内で行われる大学の卒業式を欠席。シーズン開幕の地、京セラドーム大阪で行われる練習で白球を追いかける。

 「行きたい気持ちもありますけど、仕方ありません。仕方ないというか、そういう場合じゃないです」

 開幕1軍が正式決定し、さらに表情を引き締めた。オープン戦16試合に出場し、45打数12安打1本塁打で打率2割6分7厘。最後の4試合は無安打に終わったが、1軍沖縄・宜野座キャンプから持ち前の長打力をアピールしてきた。昨年の梅野に続き、新人野手が2年連続開幕1軍メンバーに残った。外野手では12年伊藤隼以来だ。

 あと2日で1年間の戦いが始まる。開幕メンバーにはマートン、大和、福留、田上、俊介、柴田の名前が並び、外野陣のサバイバルは激しい。開幕後も1軍に残るためには、1日も無駄にできない。ルーキー外野手は3月上旬から学生生活最後の門出に参加しないことを、心に決めていた。

 24日は学業や文化、体育活動の分野で活躍し、大学の名誉に著しく貢献した個人や学生団体に与えられる学長奨励賞の授賞式が行われた。江越は大学2年時から3年連続の受賞となったが、これも欠席。広田神社(西宮市)で必勝祈願に参加し、鳴尾浜で練習に励んだ。江越の生き残りを懸けた戦いは、まだまだ始まったばかりだ。【宮崎えり子】