まさかの弾道にビックリだ。21日、オープン戦を外れた宜野座残留組の練習で、阪神藤浪が屋外フリー打撃に参加し、圧巻の特大アーチを放った。45スイングを終えて、打席を“おかわり”。47スイング目の大飛球はバックスクリーン左奥にあるテレビカメラの台に直撃した。衝撃の推定140メートル弾に思わず右手でガッツポーズ。満足げに打席を後にした。

 「自分でもビックリしました。バッティングの成果というか、ウエートトレーニングの効果が出た。今のところ投球より打撃の方で、ウエートトレの効果が出ている気がしますね」

 練習後は照れ笑いだ。メッセンジャーに「ノーパワー!」とチャチャを入れながら、47スイングで柵越え5発。バックスクリーン付近へ2本、左翼方向に3本届かせた。オフはウエートトレーニングで体をいじめ抜き、92キロだった体重は96キロを超えた。キャンプ中も例年通りコツコツと打撃練習を続け、時には金属バットを使って引っ張る練習にも取り組んできた。

 「いいポイントでボールをとらえられている。レベルが低いなりに、いい感じで打てています」

 昨季は打率1割4分で6打点。得点圏打率3割5分3厘の勝負強さを誇った。4年目の今季は打率2割と2桁安打に加え、左翼方向への甲子園初本塁打を目標に掲げた。1月には金本監督から「打率2割5分、3本塁打」指令も受けている。「あれぐらい飛べば(甲子園でも)余裕で行くんじゃないですかね」とニヤリ。ひそかに打者藤浪の進化も止まらない。【佐井陽介】