ヤクルト館山昌平投手(35)が、戻ってきた。4月13日の巨人戦(神宮)以来となる3カ月ぶりのマウンド。同20日に右肘関節の遊離体摘出とクリーニングの手術を受けたが、術前と変わらない姿を見せた。2点リードの3回2死。筒香への3球目、この日最速の149キロをマークした。5回1/3を6安打2失点。1点リードの8回にルーキが逆転満塁弾を浴び、今季初勝利こそ逃したが、頼れる男が帰ってきた。「物足りない感じはありますけど」。勝利を心から欲していた。

 チームへの「謝罪」を心に秘めていた。4月13日の巨人戦は、5回11安打6失点と打ち込まれた。2戦で0勝2敗。神宮クラブハウスの監督室に呼ばれ、2軍調整を通告された。それで終わらなかった。館山は以前から右肘に違和感を覚えていた。真中監督に「手術をさせて下さい」と直訴。全治は6週間程度で、軽い手術と言われていたが、先発投手の離脱は簡単に許可される問題でもなかった。話し合いは約1時間も続いた。結果的に手術を許可されたが「褒められたものではない」と自分を責めた。だからこそ、復帰戦を勝利で飾りたかった。

 心残りは、次戦で解消するしかない。真中監督は「手術前より全然仕上がっている。今後に期待したいです」。次戦も中6日で13日の阪神戦(神宮)に登板することが決まった。館山は「チャンスを多くもらえるように頑張るだけ」と言葉少なに、闘志は内に秘めた。

 館山の次は由規だ。今季から育成選手として再出発したが、5日に支配下選手として再契約を結んだ。9日の中日戦(神宮)に先発登板が内定している。11年9月3日の巨人戦(神宮)以来、5年ぶりの舞台となる。エース小川、ベテラン石川らが故障で2軍調整の中、頼れる男たちが帰ってくる。【栗田尚樹】