西武の主将が最下位転落の危機を救った。同点とした直後の8回2死一、三塁。栗山が左前へ決勝打を放った。外角144キロを逆らわずに捉え「僕が決めるつもりで打席に入りました。それしか考えていなかった」と力強くうなずいた。

 夢の舞台で増やした引き出しが生きた。24打席無安打でベンチスタート。悔しさを抑え込み、初出場した球宴第1戦での本塁打を思い出した。「来た球を前に打ち返す。飛ぶ先はボールに聞いてくれ、です」。不振脱却へ打球方向などを考えすぎていたが、シンプルに振ることに集中。代打で出た7回に内角低めのカーブを右前に運んで感触をつかみ、勝負どころでの1本につなげた。

 この日、同い年でチームの屋台骨を支える中村が打撃不振で登録抹消となった。「おかわりも早く帰って来たいと思っている。チームの状態を上げて、帰って来やすい雰囲気をつくりたい」と反転攻勢を誓った。