こんな力が、まだオリックスにも残っていた。大量10点で先発の松葉を援護。楽天に点を取り返されたら取り返し、5回に決定的な6点を追加。負ければ単独最下位が決まる瀬戸際で、この日は迫り来る悪夢を蹴散らした。

 圧勝の主役はT-岡田だ。4-1の5回、押し出しと暴投で2点を追加し、なおも無死二、三塁で左翼ポール際に20号3ランをたたき込んだ。2年ぶりの20号にも、後悔の言葉が口をついた。「ずっと4番で使っていただいたのに、ホームランも打点も物足りない。5月、6月の活躍を(年間通して)やれていれば、チームも今の位置にいなかったと思います」。自身の今季月間最多9本塁打、20打点を挙げた5月を思い、不振などで出遅れた4月を悔やんだ。

 Bクラスが決まっても、来季につながるものを模索する。同じ53個で並んでいた西武金子侑が出場選手登録を抹消され、盗塁王がほぼ確定した糸井も「残り試合? 出るよ」と言った。右太もも張りの悪化を憂慮し、出場選手登録抹消を打診した福良監督に出続ける意思を伝えていた。「残り試合、全部勝つつもりでやります」と福良監督。17年につながる最終盤にする。【堀まどか】