V奪還のため「内閣改造」を敢行する。ソフトバンクが来季のヘッドコーチとして、元広島監督の達川光男氏(61)の招聘(しょうへい)を検討していることが16日、分かった。工藤政権下の2年間、同ポストを置かなかったが、指揮官の意図をより深く浸透させるために設置を決めた。同氏は阪神や中日でバッテリーコーチを歴任。現役時代は名捕手として人気で、巧みな話術にも定評がある。

 今季は開幕から歴史的な快進撃を続け、6月中に優勝マジック点灯の可能性もあった。しかし故障者の続出などで、最大11・5ゲーム差の日本ハムに逆転優勝を許した。監督は継投や打順編成など、すべてを決裁する立場。加えて、投打ともに精力的にアドバイスを送るなど、激務をこなした。その半面、コーチや選手に自らの意図が伝わりにくいこともあり、「代弁者」ともいえるヘッドコーチ不在が響いていた。

 また、打撃部門もテコ入れを図る。今季限りでロッテを退団した立花義家氏(57)が12年以来、打撃コーチに復帰することが決定的。藤本2軍打撃コーチの昇格も検討されている。さらに、作戦・戦略部門のポストを新設する予定。森浩之チーフスコアラー(51)が候補に挙がる。この他にも1軍とファームコーチの入れ替えを進める方向。組織を再構築し、3年目のシーズンに臨む。

 ◆達川光男(たつかわ・みつお)1955年(昭30)7月13日生まれ。広島県出身。広島商-東洋大を経て77年ドラフト4位で広島入団。巧みなリードでベストナイン3度。92年引退。95年ダイエー(現ソフトバンク)コーチ。98年広島2軍監督。99、00年広島1軍監督。03年阪神コーチ。14、15年中日コーチ。右投げ右打ち。