明大が39度目の優勝を飾り3年ぶりの春秋連覇を達成した。中日からドラフト1位指名された柳裕也投手(4年=横浜)はエース兼主将として奮闘。リーグ現役最多の年間11勝を挙げ連覇に貢献した。この日先発したヤクルト2位の星知弥投手(4年=宇都宮工)が8回途中2失点で試合を作り、立大に6-2で連勝した。明大は11月11日から始まる明治神宮大会(神宮球場)に出場する。

 柳! 柳! 優勝が決まると、この日投げていない柳に大声援が送られた。春に続く胴上げ。支えてくれた仲間たちの手で、6回宙に舞った。「うれしいです。このチームでリーグ戦を戦うのは最後。何としても優勝したかった」。同じく明大のエース兼主将で、中日の大先輩にあたる星野仙一、川上憲伸は4年時に優勝できなかった。柳は高い壁を2度も乗り越え、春秋連覇まで成し遂げた。

 自覚と努力でマウンドを守った。昨年までシーズン1完投だったが、今年は7完投。野手顔負けの打撃練習でも引っ張った。横浜(神奈川)へは一般入試で入学。同学年にシニアチャンピオンの投手がいた。明大に入ればプロ注目の星が騒がれた。「いい関係。いいライバル。星の存在は大きかったです」。2番手からエースの座をつかみ、リーグ通算で歴代8位となる338三振を記録。最強のエース兼主将になった。

 良きライバルの星も意地を見せた。この日先発し7回1/3を3安打2失点。今年はブルペンで善波達也監督(54)に付きっきりで指導を受けてきた。昨年まで0勝だった右腕が今年4勝。ヤクルトに2位指名を受けるまでになった。星は「春は2戦目の先発を外されて苦しい思いもした。その思いが秋につながった」と4年生の力を集結させた。

 実は、柳はマウンドの歓喜の輪には加わらなかった。「すぐに日本一のことが頭に浮かんできてしまって…。春(全日本大学選手権)は1回戦負けで情けなかったので、明治を日本一にして次のステージにいきたい」。剛速球はない。代名詞の大きく割れるカーブとカットボールを武器に、大学NO・1になって喜びを爆発させる。【和田美保】