社会人野球日本選手権は29日、京セラドーム大阪で開幕する。2年ぶり23度目の出場となるヤマハは来月3日、今夏の都市対抗野球4強の東京ガスと初戦で対戦する。今月20日のプロ野球ドラフト会議でエース左腕・池田駿(23)が巨人に4位指名されたばかり。東京ガスにはオリックスに1位指名されたエース山岡泰輔(21)が在籍しており「ドラフト投手」対決を心待ちにしている。

 お互いにドラフト指名された注目の対決に備え、エース池田駿は静かに燃える。初戦で激突する東京ガスのエース山岡との投手戦をイメージ。ロースコアが予想されるだけに「先取点をやらないようにして、攻撃に流れをもたらす投球をしたい」と意気込んだ。

 身長174センチの左腕・池田駿は最速148キロの直球、スライダーが得意球種となる。山岡も身長172センチと小柄ながら最速152キロの直球とキレのあるスライダーが武器で、社会人NO・1の呼び声が高い。左右は違うものの、似たタイプとなる。池田駿は「楽しみですね。フォームなど参考にしたい部分もあります」と敬意を表した。

 7月22日の都市対抗野球2回戦では、JR九州に4回途中5失点でKOされた。それ以降、「直球の質の向上」をテーマに掲げた。変化球で「かわす投球」を見直し、原点ともいえる直球に磨きをかけた。9月4日の東海地区予選は、新日鉄住金東海REXを相手に2失点完投勝利を挙げた。球速とともに、強い回転のボールで空振りやファウルを取れるよう「さらに精度を上げていきたい」と意欲満々だ。

 巨人4位指名の直後から祝福がやまず、届いたLINE(ライン)のメッセージは400通以上。ちょっとした「フィーバー」となった。池田駿は「メールを見返して、あらためてプロというものを実感しました。でも今は選手権のことで頭がいっぱい。気持ちは切り替わっています」。ヤマハを勝利に導くため「ドラフト投手」対決を制する構えだ。【鈴木正章】