いきなり10勝“ゲッツ”だ-。DeNAからドラフト2位指名された東海大北海道の水野滉也投手(22)が17日、札幌市内のホテルで契約金7000万円、年俸1200万円で仮契約を結んだ。ルーキーイヤーとなる来季からの先発ローテーション入りと2ケタ勝利を宣言。同世代の日本ハム大谷との対戦を熱望し、“ラミちゃん”パフォーマンスの披露も口にした。(金額は推定)

 水野の心はすでにハマっ子の一員だった。14日の明治神宮大会で大学最終登板を終えると、翌日にホーム球場となる横浜スタジアムの周囲を散策、中華街でフカヒレや北京ダック、チャーハンなどを堪能した。「歩いていると多くの(DeNAの)旗が見えた。愛されているチームだなと思いましたし、ここで投げるイメージもわきました」と、半年後の自分の勇姿を思い描いた。

 今季、クライマックスシリーズ初出場を果たし、来季は19年ぶりのリーグ制覇を狙う勢いのあるチームが、最速147キロのサイド右腕に寄せる期待は大きい。仮契約に同席したDeNA吉田孝司スカウト部長兼ゼネラルマネジャー補佐は「球に力がある。来年から(1軍に)出てきてほしい。今日は(ラミレス)監督が先発で期待していることを伝えた」と明かした。

 水野は現在は下半身を安定させるための走り込みに加え、速い直球を生かすため、遅いチェンジアップやカーブのマスターに取り組む。「緩急をつけられるように磨きをかけている」。プロで対戦を希望するのは、同年齢の日本ハム大谷だ。花巻東で大谷のチームメートだった大学同期の山根大幸投手(4年)から、多くの伝説を確認した。「高校の時から怪物だったと聞いた。でも抑える自信はある」と言い切る。

 「ラミレス監督と言えば、やっぱり、ゲッツ。パフォーマンスは得意な方ではありませんが、監督から『一緒にやろう』と言われればやりますよ」と話した。今後は26日のファン感謝デーに参加、1月9日の合同自主トレに合流する。「初年度の目標は10勝。(ソフトバンク)松坂さんのような、偉大な選手になりたい」。横手から相手打者の胸元をえぐり、松坂の育った“ハマ”に歓喜を呼ぶ。【中島洋尚】

 ◆DeNA先発事情 今季は12人が先発起用され、2年目左腕石田がチーム最多25試合(9勝)、開幕投手を務めた右腕井納が23試合(7勝)、ルーキー左腕今永が22試合(8勝)。ほか久保康、モスコーソらが務め、チーム最多11勝をマークした山口は国内FA権を行使して他球団とも交渉中。