防御率1点台目指す! 阪神藤川球児投手(36)が1日、兵庫・西宮市内の球団事務所で契約更改に臨み、現状維持でサインした。来季が2年総額4億円(推定)の契約最終年の右腕は、1点台だった通算防御率が2・00になったことに悔しさをにじませ、1点台復活で自身の完全復活を期した。

 来季、こだわりたい数字は-。会見の最終盤、藤川はこの問いにピクリと眉を動かした。一瞬、天井を見上げると、これまで胸の内にしまっていた、壮大な目標を静かに語りだした。

 「過去の数字はあんまり見ないようにしていたんですけど、通算の防御率が2・00に乗ってしまったんで。どうしてもそれは下げておきたい。そこができなかったらショックだし、追求したい」

 通算防御率で1点台。妥協を許さない藤川らしい目標設定だ。98年ドラフト1位入団からプロ18年。3年のメジャー生活を挟んだが、日本プロ野球では実働13年で605試合に登板。755回を投げてきたが、その防御率が今季終了後、ちょうど2・00になった。

 今季は金本監督から先発で期待され、開幕ローテーション入り。だが、5月以降はリリーフに配置転換。43試合に登板したが5勝6敗、3セーブ10ホールドで防御率は4・60。役割が二転三転して調整に苦労した部分もあるが、不本意な成績。今季の不振で12年まで1・77だった通算防御率は大幅に上昇してしまった。

 だが、来季は今年のようなシーズンを送るつもりはない。首脳陣が中継ぎ一本での起用を明言。さらに、シーズン前半でガス欠を起こした教訓を生かし、来年は始動を遅くするという。18を背負った今季から背番号22に原点回帰。心機一転取り組んでいく。

 「背番号に恥じないように。タイガースの、相手チームのファンが思っている『藤川球児22番』というピッチャー像をもっと高めないと。汚すことが出来ないと思っている」

 今季防御率1点台を達成したその先には、悲願のリーグ制覇も近づいてくる。「とにかくチームが優勝することだけが目標。ファンの方々にパレードを見せたい思いだけでやっている。不動心をもって突き進んでいきたい。それが全て」。頼もしい男が復活を遂げる。【梶本長之】