巨人がIT革命を起こす。春季キャンプで選手の現在位置情報をインターネットでチェックできる「G選手レーダー(仮称)」を導入することが23日、分かった。特に宮崎キャンプは敷地が広大で、これまでファンはお気に入りの選手を追い掛けるのも一苦労だったが、このサービスで利便性はグッと高まる。今年は弾道測定機「トラックマン」を導入し、動作解析の積極的活用にも乗り出す。最新技術で球団を多角的にパワーアップする。

 「坂本はどこにいるの?」「菅野はブルペンに入ったのかな?」。これまで宮崎の春季キャンプでは情報収集の手段は限定されていた。サンマリンスタジアムを含むKIRISHIMAヤマザクラ宮崎県総合運動公園内にある2カ所のホワイトボードで確認するしかなかった。だが同運動公園の敷地は東京ドームの約22個分。12球団随一の広大さで、選手の現在いる場所を特定できても、移動している間に行き違いになることもあった。

 だが「G選手レーダー」ならリアルタイムでお気に入り選手を捕捉できる。ネット上で宮崎キャンプなら8カ所、比較的コンパクトな沖縄キャンプでも5カ所の練習場所に、どの選手がいるのか随時、アップされる。ファンはスマートフォンなどでチェックして、追い掛けることができる。また全軍を視察して回り、移動の多い高橋監督もマーク対象の1人として、その名がリストに加わっている。

 情報技術(IT)の活用は球団の指針でもある。久保社長は、仕事始めのあいさつで「24年の球団創立90周年に向け『IT活用』を一層、推進します」と戦略的広報、海外ビジネス展開と並び3本柱の一角にITを据えていた。

 IT化は確実に進行中。東京ドーム、ジャイアンツ球場に弾道測定機「トラックマン」を導入する。投球のリリースポイント、投球角度、回転数、打球速度や角度、正確な飛距離を分析できる。また国内教育機関とも連携し、定期的に動作解析の研究にも乗り出す。さまざまなデータが後々の大きな財産となる。

 IT革命の第1歩となるファンのための選手の位置情報特定サービス。「GPS(ジャイアンツ・プレーヤー・サーチ)」で3年ぶりのリーグ優勝を目指し、鍛錬するナインを見逃すな!【広重竜太郎】

<巨人の近年のファンサービス>

 ◆G2プロジェクト 15年から2軍の活性化を目指して「G2プロジェクト」を発足。最寄り駅から球場まで無料シャトルバスの運行やサイン会、トークショー、ベースランニング体験、大声測定器を使用した大声対決などを実施し2軍の観客動員増につなげた。

 ◆ドローン 昨秋キャンプで小型無人機「ドローン」を導入。「DJI社」とタッグを組み、カメラ内蔵のドローンによって、サンマリンスタジアム宮崎での練習が空撮された。映像はリアルタイムで球団の公式フェイスブックから、ライブ配信された。

 ◆公開質問 昨年11月に球団公式ツイッターに坂本勇への質問をファンから募り、本人が動画で回答した。「もし女性だったら巨人の誰と付き合いたい?」「内海さんです」などと答えた。