ワイルドだぜぇ~。阪神の新外国人で守護神候補のロマン・メンデス投手(26=レッドソックス傘下3A)が28日、真冬の関西国際空港にTシャツ姿で来日した。黒色の半袖Tシャツ1枚で到着ゲートに現れた。最速100マイル(約160キロ)を誇るともいわれる剛腕は、ムッキムキの肉体を見せびらかすように日本に降り立った。

 空港がざわついた。これほど薄着で来日した新助っ人は過去にいただろうか。ドレッドヘアを後ろで束ね、約10センチのあごひげを蓄える。さらには真っ黒のTシャツ。そのいかついスタイルで強烈なオーラを放った。カメラマンだけではなく、一般の利用客までもがいっせいにカメラのレンズを向けた。

 気温10度の屋外でも微動だにしない。空港を出て車に乗り込む際も、海から吹き付ける冷たい風に表情一つ変えない。その鉄仮面が崩れたのは、ストレートの球速について質問されたときだ。

 昨年11月に阪神と正式契約を交わした際に「ストレートで攻めていくのがスタイル」と球団を通じてコメントしていたが、本当に触れ込み通り100マイル(約160キロ)の直球を投げることができるか? 通訳からその質問を耳にしたメンデスは「ハッハハ」と高らかに笑った。そして「シーズンに向けて合わせていければね」と不敵に笑った。まるで「楽しみにしておけ!」とでも言いたげだ。

 首脳陣はストッパーを含め、「勝利の方程式」入りに期待を寄せている。同郷で来日2年目のマテオ、レンジャーズ時代に同僚だった藤川らとポジションを争う。タテジマを着ても、メンデスがマウンドから打者を見下ろす姿は迫力満点だろう。来日初日に強烈なインパクトを残した。【桝井聡】

 ◆ロマン・メンデス 1990年7月25日、ドミニカ共和国生まれ。07年にレッドソックスと契約。10年のシーズン中にレンジャーズ移籍。14年メジャー初登板。15年途中にレッドソックス復帰。昨季は3Aのみで32試合4勝2敗2セーブ、防御率3・38。191センチ、107キロ。右投げ右打ち。