“強肩発動”で開幕マスクをグイッ! 阪神梅野が華麗な二盗阻止で株を上げた。1点リードの3回1死一塁、2番田代を迎えた場面。一塁走者の金子侑がスタートを切ると、ショートバウンドのフォークを瞬時にすくい上げてクイックスロー。力の伝わった弾丸送球を二塁ベース上に投げ込み、昨季パ・リーグ盗塁王を間一髪で刺した。

 梅野 捕れると思ったので、勝負しにいきました。ほぼ完璧なプレーでした。

 珍しく自画自賛したビッグプレーを、首脳陣も手放しで褒めたたえた。金本監督が「ナイスプレー」と評すれば、矢野作戦兼バッテリーコーチも「素晴らしい。レベルの高いところを見せてくれた。ああいうところでチームからの信頼は上がってくる。ハンドリングとか、やってきたことが出てきた」と絶賛した。

 5戦連続で先発マスクをかぶり、キャンプ打ち上げ後の実戦7試合で6試合に先発している。残り1試合で先発マスクをかぶった坂本は前日10日、右手親指の骨折が判明。金本監督が「(梅野は開幕マスク1番手に)う~ん、なってくるんかな」と話す通り、開幕先発が濃厚となっている事実は疑いようがない。

 ここまで開幕投手が内定しているメッセンジャーの登板日は3試合とも梅野が先発。コンビネーションは深まっている。この日は4打数無安打に終わったが、指揮官は「捕手は何はともあれ、まずは守りだから」と説明。開幕マスクから正捕手へ。サクセスロードがはっきり開けてきた。【佐井陽介】