西武が侍ジャパン牧田和久投手(32)の帰国を“スペシャルシフト”で待つ。WBC1、2次ラウンドの6試合中5試合で抑えとして登板。日本時間今日22日の準決勝米国戦以降も、確実に出番が来る。重圧のかかる場面での度重なる起用に加え、帰国時も時差19時間、フライト12時間の過酷な移動。西武首脳陣は疲労蓄積を鑑みて休養優先、ぶっつけ本番でのパ・リーグ開幕も想定。今季は7回が持ち場になる牧田の負担を減らすべく、先発陣に「7回2失点」を求める。

 本拠地メットライフドームでの先発投手陣の練習終了後。西武土肥投手コーチは「牧田は身を削って頑張ってくれていますからね」と切り出した。侍ジャパンの抑えとして、1次ラウンド中国戦以外の5試合にすべて抑えとして登板。日本を勝利に導き続けた。

 文字通りのフル回転。2次ラウンド最終戦イスラエル戦では、8点リードの最終回ですら出番は来た。決勝ラウンドに備えた渡米後も、日本時間20日の練習試合ドジャース戦でも登板。準決勝以降も勝負どころで、確実に起用される。

 日本が決勝に進出すれば、帰国は24日の見込み。31日のパ・リーグ開幕まで中6日しかない。西武は25、26日とDeNAとのオープン戦があり、28、29日にはファーム公式戦もあるが、まずは休養が必要。土肥コーチは「すでに実戦を重ねてもいますし、ぶっつけ本番もありうる」とした。

 昨季序盤の牧田は3月26日オリックス戦で、初回5失点の十亀の後を受け6回を投げ勝利投手になるなど、ロングリリーフをこなしていた。しかし同コーチは「まずは7回1イニングが持ち場」と明言。8回シュリッター、9回増田につなぐ役割に専念させる。

 それを踏まえ、同コーチは先発投手陣に「ハイクオリティースタート」、つまり7回2失点を求める。「特にカード頭の菊池、多和田には頑張ってもらいたい。そうすれば、7回に牧田が登板する機会が減る」。疲労を抱えて戻ってくることを嘆いても仕方ない。シーズンに入れば、オレたちも頑張る。だからまずはWBCで全力を尽くして来い-。西武の首脳陣、投手陣が無言のエールを送る。