ロッテ細谷圭内野手(29)が逆転1号3ランで、今季2度目の2連勝をもたらした。この日1軍初昇格で、早速のスタメン起用に応えた。「いち、にの、さ~んで完璧」。7回無死二、三塁。オリックス山岡の低め138キロを振り抜くと、ロッテファンで黒く埋まる左中間3階席へ運んだ。ベンチも大騒ぎだ。福浦とは両手でハイタッチ。井上は抱きついて離れない。「興奮して分からないっす。サンキュー!!」。決めぜりふも上ずった。

 プロ11年目の昨季、自己最多102安打でついにブレーク。今季もと期待された直後、アクシデントに見舞われた。2月25日のヤクルト戦でフェンスに激突。脳振とうと診断された。復帰プログラムを終えても、1カ月は体の重さが取れず開幕は2軍。だが「やったことはしょうがない」と先を見た。1軍戦の中継を見て、今季の戦い方を確認。2軍戦で5本塁打を放ち、角中の離脱で出番が来た。

 役割は理解していた。不振の両外国人が外れた打線にカツを入れること。「こういうチーム状況。かなりプレッシャーだけど、その中で打つのがロックスターです!」。最後は氷室京介を敬愛する男らしいせりふも飛び出した。【古川真弥】