さらに今年3月の中日とのオープン戦の試合前にも指揮官に持ちかけた。「開幕からチームが連勝するので、その間は断食してくださいね」。開幕3連戦は3連敗で監督の断食は実現しなかったが、チームを勝利に導きたい気持ちを、昨季以上に表に出している。

 昨年の対ソフトバンク初カードは鹿児島、熊本2連戦に金子と西の2枚看板を先発に立て、ともに2桁失点の大敗。そこから下位に沈んだ。迎えた今季の初対決はエースが完封し、打線も9得点と爆発。大勝でお返しした。福良監督は「みんなやり返そうという気持ちがあったと思う」とたくましい選手をたたえた。

 開幕3連敗から6連勝と盛り返し、再び2連敗していた。負ければ5割逆戻り。ズルズル行きそうな状況を止めた金子は「みんなに勝ちたい気持ちがあった」。今年のオリックスは一体感にあふれている。【大池和幸】

 ▼金子が92球で2安打完封勝ち。金子の完封勝ちは杉内(巨人)に並び現役最多の21度目だが、100球未満の完封は自身初。92球以下で完封したのは13年6月13日木佐貫(日本ハム=91球)以来となり、オリックスでは阪急時代の88年9月21日山沖が86球で記録して以来だ。金子は9回無安打で降板した14年5月31日巨人戦以外に、1安打完封が2度、2安打完封が3度と、惜しいところでノーヒットを逃した試合がけっこうある。