日本ハムの育成ドラフト2位、東京情報大・斉藤伸治投手(22)が7日、千葉市内にある同大で指名あいさつを受けた。大学進学後に内野手から投手へ転向して急成長したダイヤの原石は、2年以内に支配下登録されることが目標。誕生日がサッカー元日本代表の本田圭佑と同じ最速147キロ右腕は投手歴こそ浅いが、逆にそこが、伸びしろですねぇ!!

   ◇   ◇   ◇

本田圭佑と同じ6月13日生まれの本格派右腕、斉藤は投手歴がわずか4年目。育成指名にも「自分は、今までもずっと下からはいあがってきた。そこはマイナスには捉えていなくて」とポジティブに捉えていた。

野球人生は挫折の連続だった。中学時代に入団した「千葉市リトルシニア」では同学年に楽天藤平がいた。「別格でしたね」。小学生時代はエースだったが、諦めて遊撃手へ転向。高校は強豪の習志野へ進学もレギュラーは奪えず。3年夏は背番号7も「1回戦しか出ていないです。それもファーストだった」と不完全燃焼に終わった。

転機は、その直後に訪れた。大学進学を考えていた斉藤は、習志野の小林監督から「投手でセレクション受けてみないか」と提案された。練習試合で「遊び程度に」投げていただけだったが「大学で野手じゃ通用しないと思ったので、新しい挑戦をしてみよう」。地元の千葉にある東京情報大へ、投手として進学した。

入学当初は136キロだった最速は147キロまで伸びた。SNSでダルビッシュらが発信するトレーニング法や技術論なども積極的に試していく中で、大学2年の秋に骨盤の重要性に着目。「いい投手は後傾になるより前傾になっている投手が多かった」とレベルアップのヒントのをつかんだ。

前傾を意識し、骨盤を立てると背筋も伸びる。一流選手の共通項だった。「歩き方を参考にしたのはイチローさん。野茂さんの座り方は骨盤が立っていて、わぁって思いました。こういうところから野球のフォームにつながっているんだなって実感しました」。私生活から意識改革し、地道に能力を伸ばして「本当にスタートラインに立てた」。

担当の高橋スカウトも「投手経験が浅く、肩減りが少ない。先発してもベンチで座らないで一生懸命、応援したりする姿がいい。出てきそうな感じがする」と期待する。伸びしろしかない斉藤は「1年は土台をしっかりと作らないといけない。2年で支配下が目標です」。背筋を伸ばして、明るい未来を見据えた。【木下大輔】

○…同郷の先輩、上沢に弟子入り志願した。ドラフト指名を受けた直後から、地元が同じ右腕の登板試合などをチェック。「立ち姿がいいです。すごいです。美しいです」と骨盤を前傾に立て、きれいな姿勢から繰り出される力強いボールにくぎ付け。「フォームのきれいさだったり、マウンドでの立ち振る舞いとか、ザ・エースっていう感じ。どういう感覚で投げているかは一番気になります。言葉で聞いてみたいです」と目を輝かせた。

◆斉藤伸治(さいとう・しんじ)1998年(平10)6月13日、千葉県生まれ。ちはら台ファイターズで小4から投手として野球を始める。中学時代に所属した千葉市リトルシニアで遊撃手に転向。習志野では控えの遊撃手。東京情報大へ進学を機に投手へ再転向。最速147キロで持ち球はスライダー、カーブ、フォーク。夢は「メジャーに行きたい」。血液型はB。家族は父、母、兄。181センチ、83キロ。右投げ右打ち。