<オリックス2-1ソフトバンク>◇16日◇京セラドーム大阪
オリックスに救世主が誕生した。06年希望枠入団の小松聖投手(26)がソフトバンク打線をなで切り、チームの連敗を5で止めた。国士館大の先輩・辻俊哉捕手(28)とのバッテリーは息もピタリ。完封・完投は逃したが8回2/3を1失点で、本拠地初のお立ち台もゲットした。チームは先発の故障と不調が相次ぐ中、抜てきに答え、自身先発転向2連勝。15日に2重契約問題を起こしたパウエルに敗れたイヤなムードを振り払った。
悔し涙が浮かんだ。プロ初完封まであと1人。降板を命じられた小松は、ボールをグラウンドにたたきつけた。2死無走者から勝利を急ぎ松中、小久保に連打を浴びた自分へのイラ立ちだ。そんな強気な男だからこそ救世主になれる。プロ最長イニングの8回2/3を6安打1失点。先発転向後2連勝でチームの連敗を5で止め、本拠初のお立ち台に上がった。
「正直悔しいです。でも野球の神様が“完封はまだ早い”って思ったのかな」
前日因縁のパウエルに屈辱の敗戦を喫し、重苦しい空気が漂っていた。そんな試合前のロッカーに小松の叫びが響いた。「きょうは絶対勝つぞ!!」。
バッテリーを組んだ国士舘大の2年先輩・辻と必勝を誓い合った。最速145キロの速球で内角をえぐって松中から2三振。紅白戦で対戦した自軍村松も「曲がりが遅い」と舌を巻く“魔球”スライダーや、90キロ台のカーブも織り交ぜた約40キロの緩急で的を絞らせなかった。
「去年のような悔しい思いはしたくない」。06年希望枠で入団したが出場は終盤8試合だけ。JR九州の後輩ソフトバンク藤岡は1年目から62試合に登板。不甲斐なさが募った。球団からは“今季も2軍の顔”としてファンに配布するサーパス日程表の表紙にされる始末だ。「結果を出すしかない」。先発陣の故障などで巡ってきた先発チャンスを喜べるハングリーさがあった。
「完封させたかったけど、チームの連敗ストップを優先した」。コリンズ監督はそう称えた。昨年の中継ぎ初勝利、9日の初先発初勝利を含めたプロ3勝は全部ソフトバンク戦のキラーぶり。「他の4チームにも勝ちたい。次は完封目指します」。新人王の資格も持つ遅れてきた26歳が、チームの逆襲を後押しする。【松井清員】



