日本一奪還を目指す日本ハムに思わぬ難敵だ。残り5試合でシーズン3位以内を確保してクライマックスシリーズ(CS)進出を決めた場合、本拠札幌ドームで練習を行えないことが24日、分かった。球団とドーム側のコミュニケーション不足による不手際で、10月4、5日に中古車市のイベントが組み込まれているため。チームは急きょ、2軍本拠地の鎌ケ谷で練習を行う方針を固めた。

 頂点を目指す戦いのさなか、まさかの“お家騒動”が勃発(ぼっぱつ)した。日本ハムが、中古車市に負けた。10月1日の楽天戦(Kスタ宮城)でリーグ戦全日程が終了予定。同11日からのCS第1ステージへ向けた練習日となる4、5日に、札幌ドームではすでにイベントが組み込まれていたのだ。

 球団、ドーム双方のコミュニケーション不足が原因だ。2年連続CS出場を果たしているチームだけに、球団関係者は「当然空いているはず」と思っていた。しかし、特に連絡を受けていないドーム側でも、依頼があればイベントなどを組み込んでいくのは、当然の流れだった。

 球団は2日に仙台から関東へ移動。3、4、5日は2軍本拠地の鎌ケ谷で練習を行うことに決めた。その後、6日以降はCS開催球場などを考慮しながら、札幌ドームに戻るかどうかを検討するという。どちらにせよ余計な移動に悩まされるのは選手たち。田中は「えっマジですか!?

 それは厳しいですね」と表情を曇らせた。また4日午後1時からは同球場で入団テストも実施が予定されており、練習時間の確保には頭を悩ませそうだ。

 もちろんメリットもある。都内に自宅を持つ一部選手にとってはプチ帰郷ができ、家族とだんらんの時間が持てる。また天然芝での練習は、疲労面を考えれば効果は大きい。だが一方で、CSが開催される可能性のある球場に天然芝球場はない。直前練習はやはり本拠地で行いたいところだったのだが…。

 梨田監督は「しゃあない。2軍選手を直接見られるしね」と前向きにとらえた。まずはこの心配が杞憂(きゆう)に終わらないよう、CS出場権を手にすることが先決だ。【本間翼】