エースが、勝負の年に挑む。楽天の首脳陣とナインが30日、仙台市の大崎八幡宮で必勝祈願を行った。今季から選手会長となった岩隈久志投手(27)は、年明けから大黒柱として精力的に行動。今季の目標に、堂々と「優勝」を掲げた。チームは31日に沖縄・久米島入りし、2月1日から春季キャンプをスタートさせる。

 岩隈が、武者震いした。「いよいよ始まるんだな、という気持ちです」。新選手会長は境内で、野村監督や島田オーナーらと並び、最前列で祈願を受けた。昨季、21勝を挙げて沢村賞やMVPなどタイトルを総なめにした不動のエースが、並々ならぬ思いで挑む09年シーズンに向けて、熱い意気込みを語った。

 岩隈

 1つ1つの目標を達成して、最終的に大きな目標を達成できるように日々を過ごしていきたい。大きな目標?

 もちろん、チームの優勝です。

 3月開催のWBCの日本代表候補に選ばれている。だが野村監督が契約最終年となる今季、大黒柱としての最大の使命は、チーム初のクライマックスシリーズ進出、そしてリーグVだ。

 オフの間も、エースのかがみとなる姿を見せてきた。例年1月は都内のグラウンドで始動していたが、今年は6日からKスタ宮城で自主トレを開始。若い投手陣とともにノックを受けるなど、積極的にチームメートとコミュニケーションを取った。また8日には、まどか夫人(26)が第2子となる長男を出産。新しい家族のためにも、今季にかける思いは強い。

 久米島キャンプ中の来月15日には、WBC代表合宿のためチームを離れる。日の丸を背負って戦った後、すぐにシーズンを迎える。「今年も1年間、先発ローテーションを守って、チームを引っ張るような存在でいたい」。エース、そして選手会長の自覚も十分に、岩隈は力強く宣言した。【由本裕貴】

 [2009年1月31日11時13分

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