<巨人6-6阪神>◇12日◇東京ドーム
球児の執念で同一カード3連敗を免れた。阪神藤川球児投手(28)が同点に追いついた直後の9回裏から登板。2回を3奪三振の無失点と力投した。相手のバントが小飛球になった場面では、直接捕球せずに併殺を完成させるなど頭脳プレーまで披露。ここまで3連敗中でチームの勝ちパターンから遠ざかり、この日の登板が4・3開幕戦以来の中8日だった。延長12回引き分けで、対巨人戦は2年越しの9連敗は継続するが、球児の気迫が今後への明るい材料となる。
宿敵巨人を相手に、これ以上の連敗は許されない。マウンド上の藤川からは、そんな気迫が伝わってくる全26球だった。
同点に追い付いた9回に、守護神はマウンドに送り出された。3日の開幕ヤクルト戦以来、中8日で迎えた今季2度目の登板。抑えを任されるものとして、登板間隔が開くほど不安が付きまとう。ただ、この男に限れば関係はなかった。
先頭木村拓に2球目の直球を中前打され、いきなりサヨナラの走者を背負ったが、冷静だった。次打者鈴木尚が試みた犠打は、145キロの直球に押される形で投前の小飛球に。一塁走者に視線を送りながらマウンドを駆け降りた藤川は、ダイレクトではなくワンバウンドで捕球。頭脳的プレーで併殺を完成させた。
山口投手コーチは「あのプレーは落ち着いていたね。ああいうプレーは自分を助けるからね」と称賛。久保投手コーチも「投球だけでなく(フィールディングでも)ああいう天才的なものを持っているから、今のポジションに君臨できているんだよ」と振り返った。絶大な信頼を寄せられる守護神は、延長10回も続投。2死から1四球こそ与えたが、アウトはすべて三振で奪う“らしい”投球を見せた。
昨季の藤川は63試合に登板。この日と同じく2回を投げたのは5試合しかない。1回1/3以上を最初に投げたのは7月16日のヤクルト戦(甲子園)で81試合目だった。この日のように、シーズン開幕直後に2回を任されたケースは、極めて異例。それは何より、2年越しの対巨人戦9連敗という巨人アレルギーを一掃したいという、チームとしての総意だったに違いない。
「エエ試合やけど、勝たなアカン。また次、頑張ります」。試合後、藤川は言葉少なに帰りのバスに乗り込んだ。ただ、この日は直球の最速も149キロを計測。10回の李に対してはオール直球勝負で3球三振に仕留めた。巨人戦の連敗阻止は次回持ち越しとなったが、相手を圧倒する球児本来の姿が見られたことは、何よりの収穫だ。
[2009年4月13日10時26分
紙面から]ソーシャルブックマーク




