中日が、高卒新人の最速153キロ右腕伊藤準規投手(18)を猛プッシュする。11月30日、伊藤は愛知県津島市内の津島警察署で1日警察署長を務め、防犯と交通安全を呼びかけた。人気急上昇中のイケメン右腕は、今後もオフのイベントにモテモテ状態。現時点でイベント参加予定数はチームトップだ。球団関係者は「去年の浅尾ぐらいの人気はある」。将来有望な“金の卵”が、2年目の飛躍を前に、エース級の働きで顔を売る。

 ファンの反応がイケメン右腕の人気を証明していた。警察署の前であいさつをすると、平日にもかかわらず集まった100人超のファンが、一斉に視線を向けた。イベントを終えてもサインを求める長蛇の列。今季、レギュラーシーズンで1試合しか登板していない選手とは思えない人気ぶり。伊藤は「地元の方もこんなに来てくださってうれしいですね。励みになる」と恥ずかしそうにはにかんだ。

 その人気はオフのイベント参加数に表れている。今オフ、伊藤が参加する予定のイベントは球団が把握しているだけでも「10」を超えている。今季限りで現役引退する井上打撃コーチや球団新の開幕11連勝を記録した左腕川井を上回り、トップの数だ。球団関係者は「地元出身(愛知県)ということもあるし、ルックスも良いしスタイルも良い。去年の浅尾みたいに人気がありますよ」と話す。多数のイベントに参加した昨オフの浅尾に匹敵する。

 もちろん、その人気も飛躍の2年目が期待されるからこそ。今季、唯一の登板でプロ初マウンドだった9月30日巨人戦で1回を無安打に抑えた。さらにCS第2ステージは、球団初となる10代での出場を果たした。森ヘッドコーチが「最後(CS)は1軍にいたんだし、可能性は当然ある」と話すように、春季沖縄キャンプでは1軍キャンプからスタートさせるプランもある。

 球団は今後、グラウンド外でも伊藤を売り込む考えだ。球団関係者は「要望も多いし、いろんな場所に出てほしい」とニンマリ。単独での初イベントを終えた伊藤は「ボクもずっとドラゴンズのファンだった。いろんな形でチームに貢献したい。感謝の気持ちを込めて(イベントに)参加したい」と話した。球団にとって伊藤は、営業面でも“将来のエース”になるかもしれない。【桝井聡】

 [2009年12月1日9時0分

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