ライバル相手にまずは1勝をもぎ取った。昨春日本一の東北福祉大が、3季ぶりの優勝を狙う仙台大に4-1で勝利。1-1の5回に辻村大我外野手(4年=龍谷大平安)の中前適時打で勝ち越しに成功した。東北学院大は東北大に2-1で競り勝った。

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これが漢の意地だ。決勝点は東北福祉大の3番・辻村のバットから。1-1の5回2死一、三塁で中前へと運んだ。「次につなげる意識がいい結果になりました」。打線は来秋ドラフト候補の仙台大・大城海翔投手(3年=滋賀学園)を前に苦戦。前打者も見逃し三振に倒れていた。「自分がカバーしよう」。ここまで2打席凡退だった辻村が「ここぞ」での1本を放った。塁上では渾身(こんしん)のガッツポーズが炸裂(さくれつ)し、雄たけびが響き渡った。

調子がいいわけではなかった。オープン戦からチャンスでの1本が遠く、悩む日々が続いていた。打席前での不安は募る一方だった。それでも、この日は違った。「絶対に打つ」。不安すらも打ち消す強い思いが勝った。

目標はプロ入り。気づけばドラフトイヤーを迎えた。憧れは仙台大から広島に、昨秋ドラフト1位で入団した平川蓮外野手(22)。広島では57年ぶりの快挙となる大卒新人での開幕スタメンもつかみ取った。辻村は「プロでも活躍して、お手本にしています」と、身近だった存在を目標に置き、同じ舞台を目指す。

全勝同士の直接対決。まずは東北福祉大が先勝した。3日の2戦目に勝利すると勝ち点を得られる。「『負けたら終わり』『負ければ仙台大が優勝する』その覚悟で戦います」と辻村。最終節には昨秋、唯一勝ち点を献上した東北学院大との対決が待ち受ける。「昨年は先輩方に日本一の景色を見せてもらったので、今年は自分たちが後輩にいい思いをさせたいです」。連覇へ向けて-。まずはこの山場を越える。【木村有優】

◆辻村大我(つじむら・たいが)2004年(平16)4月30日生まれ。本山二少年野球部で野球を始め、オリックスジュニアでもプレー。ヤング神戸ドラゴンズ、龍谷大平安を経て、東北福祉大に入学。1年秋に公式戦初出場。昨秋までの公式戦通算成績は23試合に出場し、打率3割5分4厘、2本塁打。180センチ、74キロ。右投げ左打ち。

○…今季負けなしのエース同士の投げ合いは、東北福祉大・猪俣駿太投手(4年=明秀学園日立)に軍配が上がった。4回には一時同点を許すも、自ら野手陣に声をかけて盛り上げた。「仲間が絶対に点数を取ってくれると思っていたので、気にせずに投げられました」と、1失点(自責0)完投。13個の三振を積み上げた。「最後は自分の気持ちが勝ったのかなと思います」と今季無傷を貫いた。