西武のドラフト1位ルーキー菊池雄星投手(18=花巻東)が初のオフとなった13日、イタリアブランド(ルバクオーリ)のダウンジャケット、ジーンズ姿で外出した。野球一筋で「私服がない」発言は話題を呼んだが、心配した先輩やスタッフから救いの手が差し伸べられ、「松下さん(ドラフト5位)やたくさんの方に服をいただきました。上が10着、下が2着。この上着もです。似合う似合わないじゃなく、いただけただけでうれしいので着続けたい」とチームメートの温かさに身を包んだ。

 慣れないカジュアルスタイルに「恥ずかしい」と照れながらも、埼玉・所沢市役所に転入届を提出。西武鉄道の電車にも初めて乗り、大型家具店で電気スタンド、コルクボードなどを購入した。「ボードには駒大苫小牧対早実の写真や目標にする選手、名言をはってモチベーションを高めていました」。今回は花巻東・佐々木洋監督(34)からもらった「岩手から世界一へ」の言葉を飾る。

 15日にはテレビ朝日の「ビッグスポーツ賞」表彰式でプロゴルファー石川遼と念願の初対面を迎えるが、14日の新人合同自主トレでは西武恒例の競輪トレが待つ。1000メートルタイムトライアルの新人記録は05年星の1分26秒25だが「筋力的には自信があります」とニヤリ。昨年、通学用自転車のサドルが盗まれ、立ちこぎで花巻から盛岡を往復し「片道で35キロ、2時間半かかりました。座れないから休めなかったです」。自転車では誰にも負けないエピソードを持つ雄星が、自慢の体力で新記録を狙う。【柴田猛夫】

 [2010年1月14日7時38分

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