<中日1-0横浜>◇20日◇ナゴヤドーム

 延長11回、和田の打球が中堅へ弾むと、中日ベンチがはじけた。今季8度目のサヨナラ勝ちは、同時にプロ野球新記録となる5試合連続完封勝利の瞬間だった。落合博満監督(56)は「ああいいことだ。そのメンバーはこれから何かある度に名前が出てくるわけだから」と笑みを浮かべた。

 先発は16日の2軍戦で5回を投げたマキシモ・ネルソン投手(28)だった。2月に銃刀法違反容疑で逮捕された“お騒がせ右腕”はサプライズ先発にもかかわらず、快投を見せた。204センチの長身から繰り出される150キロ超の速球と変化球で横浜打線をねじ伏せ、5回まで3安打無失点。「他の投手がずっと0点で抑えているので自分も集中した」。6回からは清水につなぎ、7回1死一、二塁のピンチではセットアッパー高橋を投入。安定感抜群の左腕が石川、ハーパーを剛球で連続空振り三振にしとめた時点で、まず球団タイとなる43イニング連続無失点を達成した。8回は浅尾、9回は河原、延長10回は岩瀬、そして延長11回は平井がしのいだ。

 5連勝で貯金は今季最多タイの6。「すべては山井だって。山井がこの流れをつくったんだよ。まあ、ネルソンはこんな投手のいない時によく投げたよ」。落合監督は先発不足の状況で成し遂げた快挙に満足そう。21日の前半最終戦で、あと6イニングに迫った連続イニング無失点記録(42年阪神、52イニング)の更新に挑む。【鈴木忠平】

 [2010年7月21日12時3分

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