<日本ハム4-1西武>◇29日◇札幌ドーム

 1週間以上遠ざかっていたタイムリーヒットの感触に、喜びを隠せない。15打席ぶりの安打が逆転の2点適時打となった日本ハムの糸井嘉男外野手(29)は「うれしい気持ちでいっぱいです」。今季初のお立ち台で、いつもの照れ笑いを浮かべた。

 序盤はアンダースローの西武牧田に苦しんだ。初対戦となった新人右腕の感想を問われると「嫌いです」。それでも「センター中心に打ち返して行こう」という田中打撃コーチの教えを守った6回1死一、二塁、甘く入ったシンカーを左中間へ運ぶと、8回には右打ちのサイン通りの打撃を見せて2安打3打点。久々に大暴れした。

 今季初のゼロ封負けを喫した27日ソフトバンク戦では、1回の先制機でセーフティーバントを狙ったが失敗した。ベンチの指示に応えられなかった苦い思いがある。汚名返上の一打に「最高です」と声を弾ませた背番号7の表情は、2日前と違って晴れやかだった。